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2014年9月20日 (土)

『沼人たち』 (Swamplings) の紹介

Wesnothのアドオンキャンペーンである『沼人たち』 (Swamplings) の紹介です。

話の作りこみのクオリティがかなり高いキャンペーンです。お勧めできます。

このキャンペーンは、弱小種族であるゴブリンが、列強種族の陰謀に巻き込まれて生き延びるためにあがくという、話としてはよくありそうですが、Wesnothではあまり見かけない内容です。まあ、ゴブリンではゲーム的に広がりが出そうもありませんしね。

そのように、大枠のプロットとしてはよくありそうなもので、そこには大きな工夫は無いのですが、このキャンペーンの特徴は作りこまれた細部にあります。シリアスな話でありながらそれを感じさせないユーモラスな語り口、シナリオの最初と最後だけではなく、シナリオ中にうまく埋め込まれたイベントによるストーリー展開、(借り物も多いですが)絵や音楽、細部まで作りこまれた感じで、完成度が高いです(Wesnoth1.12用の方からはストーリーの絵のところのBGMに使われていた「Calm Before the Storm」が削られていますね。なぜだろう? 『沼人たち』といえばこれだというくらい好きだったんだけど)。

例によって、事前にメッセージを翻訳してからゲームをしていましたので、もったいないので添付しておきます。ライセンスはGPLv3またはそれ以降です。

ダウンロード wesnoth-swamplings-1.2.0d-ja-9.zip

ネタバレありストーリー紹介とかは続きで。短いけど。

ストーリーを紹介します。ネタバレです。

ある理由により(最後の方で説明されます)、沼に引きこもって自立した生活を送っているゴブリンの部族のリーダーが主役です。彼はよくあるゴブリン像とは違い、人間と同じように喋ります。

キャンペーン開始直後に、いきなり息子を殺されてしまった彼は、その悲しみを胸に秘めながらも生き残りをかけて部族を率いていきます。

彼らに振りかかる災難とは、人間の権力者の間で行われていた陰謀に加担していた暗殺者が、ゴブリンの住む沼に毒薬を求めてやって来ていたことを端に発します。我らがリーダーは成り行きで巻き込まれてしまいます。

さて、それとともにウルフライダーの誕生についても語られます。

さらに、ダイアウルフに関する冒険も。

だめおしで、沼に引きこもった理由の説明も。

まあ、いろいろあって悪い人間に目をつけられてしまい、絶滅の危機を迎えますが、それまでに培ってきた友人関係(と、悪い奴はみんなにとって危険だということ)により、協力して対処することになります。

最後に感想を書いてみます。

ユーモラスな語り口で、とても引きこまれます。いろいろなキャラクターを戦わせると、一言言ったりして、キャラクターを生かそうとされています。

細部まで作りこまれた感じで、妙なツッコミどころのような穴がありません。

その反面、プレイヤー自身がよく味わわないと、ストーリーが軽く流されてしまい、消化不良な感じがします。例えば主人公の息子の死は、最後までストーリーの底流となる重要な出来事なのですが、あまり心に響いてきません。もちろん主人公が抑えた性格であるためですが(作者は意図的にやってると思う)、もう少し見せ方に工夫があってもよかったのではないかと思います。沼に引きこもった理由の説明も、これがないと主人公の部族の立ち位置を説明できないのですが、唐突に話に出てくるため、無くても問題ないおまけのように見えてしまいます。

というわけで、盛り込んだ内容が多すぎる感じがするのですが、ちゃんと読めば汲み取れるようになっています。ゆっくり噛みしめるように楽しめるキャンペーンです。

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